直島のベネッセハウス宿泊記
一度は泊まってみたいなと思っていた直島のベネッセハウスに泊まってきた。
オーバルはすでに満室だったので、今回泊まったのは最も安くて最も新しく建てられたパーク棟に宿泊。

ロビー
部屋の目の間にはパンパグラスが風にゆれる丘があって、その向こうには瀬戸内海、そして遠く高松の町が一望できて、ベランダに椅子を持ち出してのんびり過ごすのが気持ちがいい。
この部屋に泊まるメリットはテラスレストランである「海の星 Etoile de la mer」や草間彌生の黄色いかぼちゃのアート作品まで徒歩で行けることかな。
部屋の内装はいわゆる普通のリゾートホテルっていう感じでとくに特徴はないのだけど、木材を多用したインテリアと壁にはタレルの作品が飾られていることに、ここへ泊まるぜいたくを感じることができる。
部屋にテレビがないことは全然気にならない。というか、むしろテレビがないことでより洗練された印象をうける。
その代わりに、BOSEのラジオ&CDデッキが置いてあったのだけど、せっかくなら自分でもってきたiPodが使えるようにSound Dockとかでもいいのになと思った。いまどき旅行にCD持って行く人ってあまりいないんじゃないかな。
パーク棟の館内にも随所に作品が展示されていて、過ごしているだけで楽しいのだけど、結構暗い場所が多いのでバリアフリーという点においてはどうかなって思う人もいると思う。
でもまあ、暗いことによって印象的な空間が出来ているのでこれは好みの問題だな。僕はトーンはこれくらいでいいと思っている。
また、共有のラウンジがあって、そこでは朝から夜までコーヒーとお茶を無料でもらうことができ、かつここから眺める瀬戸内海は部屋から眺めるのとはまた違った趣がある。
今回、晩夏の時期に来たこともあるのだが、パンパグラスをうまく使って面白い動きがある庭にしているなあって思った。季節が違うとまた違った印象があるのだと思う。

これはラウンジではなくビーチサイドのカフェ。19:00まで。
食事については、ホテルが隔離された場所に立地していることもあり館内のレストランを利用することになると思う。僕は朝晩ともに創作フレンチ的なレストランである「海の星 Etoile de la mer」で食事をしたのだが、和食が好みの人はミュージアム棟までバスで移動することになって、これはパーク棟に滞在するときには結構な負担になると思う。逆にミュージアム棟やオーバル棟に滞在する人はこちらのレストランに来るのが面倒そう。
ミュージアム棟に併設されている和食レストランはちょっとみたけれど、うーん、雰囲気としてはこっちの「海の星 Etoile de la mer」の方がいいなっていうところ。
ディナータイムで頼んだのはテノワールというコースと、ワインのマリアージュというスパークリング~白ワイン~赤ワインと進むセットメニュー。これであわせて1人1.45万円になる。ワインはボトルが1種類しかなくてかつかなり高いので、このセットを頼むのがお得だと思うし、結構いいワインを飲ませてくれる。
テノワールのコースはその名前の通り、瀬戸内海の素材を使った地産地消のコースで、まあ普通においしい。やはり魚料理の方がいいかなって思う。しかし、独創的な感じなく、あっさりと日本風にアレンジされたレストランの食事というところ。まあ、万人受けするためにはそんなにアグレッシブにいけないよな。
二種類あるパンはどれも結構おいしくて、オリーブオイルと一緒に食べるのが幸せの秘訣だと思う。
ひとつひとつはそんなにがっつりした感じではないけれど、ゆっくり2時間くらいかけて食事をすすめていくと満足感が高い。
そして、このレストランでもっとも感動したのはデザート。やはり瀬戸内産の食材を使っているのだけど、これはなんていうかすごいうまいと思った。奇をてらわずにとにかくおいしい!って思えるものだった。
朝食はビュッフェスタイル。7:30から開始となるのだが、開始直後は結構混んでいて、7:45くらいを過ぎると今度は空いてくる。朝からスパークリングワイン飲めるのが幸せ。和食よりもやはり洋食系の方がおいしかったなあ。オムレツは絶品だったのでぜひオーダーするのがいいと思う。
レストランのスタッフは女性が多くて、どの方もほどよく親しみやすくてとても好感がもてる。みんなこの島を好きなんだなって思うし、話していると思わぬ情報が得られたりする(黄色いかぼちゃが街頭にライトアップされていることとか)。
まあ、とにかくせっかくのんびりとしたリゾートに泊まっているのだから、あくせくしないで時間の流れに身をまかせて楽しむのがいいと思う。
最後に、直島においてこのホテルに宿泊する最大のメリットは宿泊者だけがいけるミュージアムと島内を移動する専用バスに乗れることだと思う。ミュージアムはパーク棟や地中美術館から徒歩でも行けるけれど、結構なアップダウンがあるのでバス移動がおすすめ。結構ひんぱんにでているので、利用した方がいいと思う。
ミュージアム自体はそれほど大きな規模ではないのだけれど、瀬戸内海がみえる立地を利用した作品があって、それはかなりきれいだと思った。
また、宿泊者専用のバスの存在も大きい。いってみれば、巡回型の乗り合いタクシーみたいなもので、直島内のほぼ全てのスポットを巡っているので利用価値はかなり高いです。混み合うこともあるけれど、普通の町営バスよりかはましだと思う。チェックイン前でも乗れるのがとくに助かった。
宿泊の予約はホテルのサイトから直接行った。やはり人気のホテルなだけあるので、予約は取りづらい・・。ホテルのスタッフの方のおすすめは3月~5月くらいとのこと。また、冬は寒いけれど空いていて空気もきれいなので、ホテルステイを楽しむにはいいかもしれないってことだった。たしかにそうかも。
施設自体がすごく豪華なわけではないし、その割にはちょっと値段が高いなというのが率直な感想なのだが、スタッフの感じもいいし、また泊まりたくなるホテルなのかもなあ・・と思った。
ベネッセハウス
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