夏の青春18きっぷでローカル線の乗り鉄旅。3日目となるのだが、この日で終了となる。早朝の金沢で電車に乗るときに「おれ、このまま名古屋までローカル線で行けるのかな」ってちょっと思ったのだが、案外行けてしまうものなのだな。海を眺め、深い山並みを通り抜けるルートになった。
でも、最後は東京まで戻るのはしんどかったので、ぷらっとこだまで名古屋から東京までこだまの旅。1日目に半日以上かけて通った東京と名古屋の間を3時間くらいかけて帰って行った。なんだろう、近いような遠いような不思議な感覚がある。
近江町市場で朝食を食べて、金沢駅から出発。朝の移動のことを考えて金沢駅近くのアパホテルに泊まったのだけど、充実した食事のことを考えると駅近くである必要もなかったのかも。
金沢と高岡の間は新幹線が開通していて、ローカル線は私鉄に移管されている。よって青春18きっぷは使えず普通運賃で移動した。これが結構高くてびっくりする。電車自体は空いていて、金沢駅のお土産物店で買った麩まんじゅうを食べながら車窓の外を眺めている間に着いてしまった。
観光列車のべるもんたに乗る。土曜日は高岡から城端までの城端線、日曜日は高岡から氷見までの氷見線という二種類のコースがあり、氷見線の方が人気らしいのだけど日程の都合から城端線を往復してきた。
城端線は立山連峰を望むルートでこちらも美しいのだが、すごく広い田園風景や、沿線で手を振ってくれる人がいたりして、そののどかさにちょっと感動するコースだと思う。大きな窓も通常の鉄道車両にはないもので、車窓の風景を存分に楽しむことができるのもいい
車内では寿司や日本酒のコースなどもあり、盛りだくさん。そして降り立った城端駅は小さな田舎駅なのだけど、古くからの街みたいでこの街を散歩するのも楽しそうだなと思った。とはいえ、べるもんたがなければやってこなかったかもしれない風景は本当に美しいものだった。
海のみえる駅「雨晴駅」まで氷見線を往復する小さな乗り鉄旅。くすんだオレンジ色が渋いローカル線に揺られること20分くらい。突然車窓に海がみえたと思ったら、そこが雨晴駅だった。電車で尾道に行くときに感じる雰囲気に似ている。
夏の日本海は深い青色が美しくて、よく見ている太平洋ともちょっと雰囲気が違うなって思う。そして、海のみえる雨晴駅は小さいながらもきれいなローカル線の駅でいいところだった。この乗り鉄旅でもっとも印象的なシーンだったかもしれない。
高岡から富山まではふたたび元北陸本線、現在は私鉄の「あいの風富山鉄道」に乗っていく。この区間は例外的に青春18きっぷを利用できるのだが、富山駅で降りるときに「どこから乗った?」と聞かれるくらい。
富山駅はここから立山連峰を抜けて信濃大町へ行くルートがある街となっている。ここから信濃大町にあの大きな山を越えていけるというのがすごく不思議。いつか試してみたいルートだな(信濃大町から富山の室堂まではアクセスした経験あり)。
富山駅でビール買って高山本線で飲みながら行こうかなと思ったら、土曜日の学校帰りの学生で列車は大混雑。1時間の道中のうち30分近くはビール飲める雰囲気ではなかった。
列車は次第に山深いエリアへとすすんでいき、いつの間にか人家もまばらになってきた。まわりに何もないホームと小さな駅舎だけの秘境駅みたいなところで学生が降りていくのだけど、あの比較的大きな富山の街からこの山深い場所まで毎日通うってすごく不思議な感じするだろうなって思う。自転車に乗るのも大変そうな山の中の小さな集落で過ごす学生時代ってどんな感じなのだろう。
長いトンネルを抜けるとちょっと大きめの操車場がある駅について、そこが終点の猪谷だった。JR西日本はここまで。
富山から乗ってきた列車は猪谷で終点となり、向かい側にとまっている美濃太田行きに乗り換える。ここからはJR東海のエリアとなるので、車両の雰囲気もちょっと異なるものでおもしろい。
これだけ田舎の路線になると、僕と同じように青春18きっぷをつかって旅している同士みたいな人たちがわかるようになる。乗った車両を写真に収めているのだけど、このあまり乗り換え時間ないなかで、この猪谷駅で乗り遅れたりすると相当大変そうだ。次の列車まで3時間近く時間があくくらいだし。
猪谷からはよくこんなところに鉄道通したなっていうくらい川の流れにそってすすんでいく。どこかのタイミングで川の流れる向きがかわって、いつの間にか分水嶺をこえたのかっていうのがわかるのもまたすごく興味深い。飽きずに車窓を眺めていた。
飛騨地方に入ると急に世界がかわり、田園風景とかが出てくる。この路線は車窓をみていて本当に飽きないな。またいつか来てみたい路線だ。飛騨高山駅で長い停車があってその間にお弁当を買ったり、ちょっとだけ駅から降りてみたりする。ローカル線の席はさすがに特急とは違うので身体が痛くなるのだが、こういう休み時間があるのがいい。
下呂温泉が近づいてくると、遠くからでも街に湯気があがっているのがみえてくる。夕暮れ時の温泉街は幻想的だった。ここも自宅から来るにはあまりにも遠いのだが、おもしろそうなところだな。そして、下呂を過ぎると日も暮れてきて外は真っ暗になってしまった。美濃太田が近くなり、ちょっと郊外感が出てきたところでようやくこの長い路線も終点となる。
猪谷から4時間近く乗ってきた列車は、美濃太田には数分遅れで到着。普段なら数分の遅れなんてたいしたことないのだが、美濃太田から岐阜までの乗り換え時間が短くてあせった。ここまで一緒だった見知らぬ乗り鉄旅の旅人は外で車両とっている間に列車が発車してしまい、無情にも乗り遅れていた。30分に一本くらいはありそうでまだマシだがひとつの接続ミスが結構大変なことになるので気が抜けない。
このあたりまで来ると地方路線ではあるものの郊外っぽさも出てきて車両が混み始めてくる。岐阜に着く頃には満員に近い状況になっていた。いよいよこの長い乗り鉄旅もおしまいに近づいてきていると思うとちょっと寂しさもあるな。
日本の大動脈、主要幹線の東海道線。岐阜駅は完全に都会だった。そして、東海道線の快速は仕事帰りの人などで混み合っていた。さっきまで乗っていたローカル線と同じ鉄道なのだけど、全然違う乗り物ように思えてしまう。洗練されている。20分ほどで名古屋まであっという間に到着。そうだよな。行き違いの停車とかはないものな。
名古屋からはローカル線乗り続けるのも着かれたので、ぷらっとこだまのチケットを買っておいた。コンパルでエビフライサンドを買って、駅のホームできしめん食べて新幹線に乗り込む。新幹線のなかでものんびりした「こだま」は3時間くらいかけて東京までいく。前にこだま乗ったときは通過待ちで長い停車時間を利用して駅弁を買ってみたりしたのだが、もうお店も終わっていてそれもできず。名古屋で買い込んでおいてよかった。
それにしても新幹線って座席もひろいし、全然揺れないし快適だし便利だ。鉄道の進化を乗ってみて実感できる旅だったな。いやそれにしても、この日はよく乗った。
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