サンクトペテルブルクから400キロを鉄道で移動してきた。23:00にペトロザヴォーツク駅についたのだが、太陽は北西の空に沈んでおらず夕暮れの風景だった。北極圏まではまだ距離があるものの十分に夜でも明るくて、泊まったホテルの窓からオネガ湖をずっと眺めていた。
ロシアを構成しているカレリア共和国の首都であるペトロザヴォーツクはキジー島へ行くための拠点となっている。サンクトペテルブルク(Sankt-Peterburg Ladojs)からペトロザヴォーツク(Petrozavodsk Pass)までは夜行列車で移動するのが主流なのだが、僕は普通の特急列車で移動した。夜にならないのであればずっと車窓を楽しんでいられるかなと思ったのだが、実際ずっと車窓から風景を眺めていた気がする(列車での移動)。
ペトロザヴォーツクからホテルまでは3キロくらいと離れていたので、GETTという配車アプリで事前にタクシーを予約しておいた。駅を降りると車がいて乗りこんでそのまま支払はアプリ経由でクレジットカード払いというのが非常に便利だ。
ホテルはオネガ湖を見下ろすロケーションにあるスパホテル カレリアというリゾートホテル。古い建物だけど清潔に保たれていてなにより快適だった。6月だけど気温は10度前後でひんやりした風が寒く感じるくらい。しかし、窓から見えるオネガ湖の風景はいままで観てきた風景の中でももっとも印象に残るもののひとつだった。深夜で静かになった街だが外は夕暮れの風景のまま。寝てしまうのがおしいくらい美しい風景だった。
翌朝は朝食前にホテルのまわりを散歩して歩く。夜中に少し雨が降ったみたいで緑が美しい。ホテルから船着き場までは自分で移動するのだが、あらかじめ散歩して道をみつけておいてよかったと思う。公園のなかを通り抜けて行くルートは案外見つけづらかった。
キジ島行きのツアーはスパホテル カレリアで予約した。ペトロザヴォーツクを9:15出発でキジー島に4時間程度滞在してペトロザヴォーツクへ16:15着に戻ってくるツアーが2860ルーブルだった。スパホテルカレリアがツアー船を運行しているため、20%OFFで行けるのがお得だ。
キジ島のメインである教会は修復中だったのだが、車がまったく走っていない静かな島は中世の世界のように不思議な島だった。どこかの家で刺繍をしているお姉さんはいつもここに来て刺繍をしていて、普段はどこでどんな生活をしているのだろう。かなり通り場所だけど、いつかまた訪れたい場所だと思う。
キジ島で少し食事をしてペトロザヴォーツクに戻ってきた。船着き場からホテルまではふたたび散歩しながら戻っていく。少しだけ時間に余裕があったのでまわりみちしながらホテルへ向かったのだが、古い遊園地では家族連れで賑わっていて短い夏の娯楽を楽しんでいる感じがした。
カレリア共和国はロシアでもあまり経済的に恵まれていないエリアらしく、ペトロザヴォーツク駅前で行き交うバスを眺めているとよくこんなバスが走っているなっていうくらいおんぼろのバスが走っていたりする。でもなんだか全体的にのんびりしていていい街だな。次にここへ来るときにはもう少し日程に余裕をもたせて2泊くらいしたいなと思う。
サンクトペテルブルクへ戻る列車は、なんだかちょっと寂しく感じるくらいだった。途中でちょうどムルマンスクへ向かう夜行列車とすれ違ったのだが、あの列車はまだまだ先まで旅をつづけていくのだな、ちょっとうらやましく思えた。
この旅の記録:白夜のペトロザヴォーツクとキジー島への旅。
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